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現実と、闘う!
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激動の予感

気づいたら新年が明けていた。年末は体調を崩し、予定していたことが何にも出来ずに年始が終わり、待ち望んでいたはずの新たなスタート地点を見出せないままの、船出だった。もちろんその理由(わけ)も知らないはずがなく、それもこれも全ては自らを見据える道の「ぼやけ」がさせた業だった。

「I am dreaming.」という言葉には二つの意味があり、「私には夢(やりたい事)がある」という前向きで希望的な解釈もすれば、単に「(現実にはありえない)夢を夢の中で夢見ている」という後ろ向きで絶望的な読み方もできる。しかしながら、どちらにせよ見ているものは「夢」そのものであって、目の前に起こっている「現実(うつつ)」ではないのが、まぎれもない「現実」だったりする。そしてその事に気づくのに(いや気づいているんだが「現実」として認めるまでに)、ここまで時間がかかったと言う、それだけのことだ。

自らが信じている道がぼやけているのは「うつつ」ではなく「ゆめ」であるからであって、それは誰のせいやら何でもなく、当たり前のことであって、情けなくも自らの背負い込んだ不甲斐なさではどうすることもできないのである。どうするも、こうするも、自分次第ってことだ。

先週より新しく始まったNHK大河ドラマ「武蔵」を見た。西田敏行さんが演じる雇われ牢人の内山半兵衛が、まだ何も分かっていない武蔵に向かって「いい言葉」を放った。

「たとえ敵の刃が己の身体を貫いたその瞬間も、それでも生き抜くことが、生きるということだ。闘うとは、そういうことだ」

私は一つ、夢を見ている。その夢がこの場所で果たすべきことならば、今は現実と闘うことが、その全てだと思う。現実は恐ろしくも目の前にある。その目前の敵の刃をじっと見つめるその時まで、私は夢を見続けるのである。いつまで待っても「ぼやけ」はその時まで、晴れない。

2003.01.12.