ymode.NET
闘い続ける、ひとたちへ。
.NET > .y > mode de mode

 

>mode de mode 11
QoLを考える、その3(了)

今年の8月はひたちなか市で行われた野外音楽ライブへの参加や、北海道への当て所なき(笑)ぶらり旅と、かなり充実した日々を過ごせた。

野外ライブではまさに「人波」というにふさわしい、かつて経験したことのない熱気・熱狂の中で、センターで熱唱・絶叫する桑田さんを確かにこの肉眼で捉えつつ(そう、今までライブの桑田さんは双眼鏡を介してしか見たことが無かったのだ!…笑)、これもまさに字面の如く「完 全燃焼」してきた。あれほど「燃えた」ライブは過去無かったと思う。

そして夏休みという、社会人にとって限られた時間を利用して実現した北海道旅行は、改めて「旅行」というものの楽しさを再確認できた。

大学時代の友達が札幌に住んでいることもあって、今回の旅ではお言葉に甘えて彼の実家に泊めさせてもらった。これだけでも非常にありがたいのに、北海道のいろんなところを案内してもらったり、久々のテニスもできたし(少しだけだったが、身体を動かす喜びを再確認できた)、 温泉にも入れたし、仕事の関係でやはり札幌に住んでいる後輩にも出会えたし…と、短かったけど大満足の夏休みになった。友達を始め、旅先でお世話になったすべてのみなさんにこの場を借りてお礼を言いたい。
「ありがとう。」

そんな感じで大成功の今回の旅では一つ、大きな発見があった。それは「いくら・かに・うに」の豪華三点セット(爆)を始めとした海鮮料理に、霜降り牛のすき焼き、そしてやっぱり日本人なら日本酒でしょ…といった具合の、贅沢な食生活。私は今までそんなに食べることにお金を 使ったことが無かったが(というよりむしろケチってた…笑)、今回の旅費はほとんど食費に費やしてみた。やってみるとこれほど爽快なことはない。やはり「食欲」が人間の三大欲求の一つであることは、間違いないと実感した。食べることをないがしろにしてきた今までの人生、少 し勿体無かったな、とさえ今は思っている。

こうして「美食」という旅の新たな味わい(キーワード)を見つけて、私の短い夏の旅は終わったのだった。

…そして今、自分の部屋に戻り、いつものPCに向かってこうして原稿を書いている。あの楽しかった夏の日々を思い出しつつ、目を部屋にかけてある今年のカレンダーに向ける。年初に買った、サザンの掛け軸カレンダー。だんだんと残りの少なくなる365日の羅列の上で、桑田さんの 「いつまでも仲良く」という直筆の言葉が、私に問いかける。

おそらく昨夏サザンを脱退した大森さんを含めた、メンバーみんなに問いかけた言葉だと推測するが、この言葉が何故だか私にも、響く。

周りにいる数少ないけど、大切な、信頼できる仲間と過ごせる短い瞬間が、今一番楽しいのではないかと。完全燃焼できたライブも一緒に付き合ってくれた友がいたからこそだし、北海道の旅でもそうだった。

なかなか旅にもライブにも行けず、ともすると会社に行き来するだけの単調になりがちな毎日の中で、ふと自らの足で分け立ち入る「非日常」という快感。そしてそこには、理解し、理解し合える仲間が、いる。

…今、改めてこれこそが、私の「QoL」だったのかなと、振り返る。

2002.09.29.