今回紹介するのは坂本真綾さんの「DIVE」というアルバムです。
去年の暮れからずっと聴き続けるアルバムで、絶対紹介しなければいけないと思っていました。
私の中では特に重要なアルバムです。
坂本真綾 「DIVE」 | |
私は彼女をラジオで知ったのであるが、歌手としての彼女の魅力を知ったのは「ともだち」という歌である。 前作のアルバムにはその英語詞バージョン「MY BEST FRIEND」が収められており、そこで受けた感動を予感しながら本作を聴いた。 だから特定の歌を目当てにしていたのではなく、ただ漠然とした期待感があっただけであるが、以来、未だに聴き続けている。 最初に通して聴いた時、前作を「動」とするなら、本作は全体的に「静」なイメージを持った。 それは自問自答的でしかし確実な自身作詞の「ID」で始まり、シングル発表曲「走る」、英語詞「Baby Face」、哀愁感の中にある「パイロット」。 そこにはまず、曲の良さがある。 「歌手」とはただメロディに合わせて歌うだけではなく、つまりはこのようなメッセージを聴くものに届けることが出来る、そのことにこそ存在があるのだ、と感じさせる好アルバムであることは間違い無い。 |
|
#8 ユッカ |
ユッカとはユリ科ユッカ属に属する植物の総称であるそうで、砂漠の中で花言葉の如く「勇壮」に生きるらしい。 これは、生きることへの決断を勇気付けてくれる歌である。 「亡くしたものばかりいつも持ち歩いていた 思い出は笑顔や温もりや幸せまで持ってる」 これまで生きてきたことによる、苦しみや悲しみ、そしてそれを乗り越えた笑顔や温もりは大事な宝物であり、幸せなんだと。 「手渡された悲しみ それは乗り越えるためにあると空見上げ思う」 今ここにある悲しみは、それは例えば生きていくこと自体の「原罪」みたいなものとも考えられるけど、そうじゃない。 「誰も一人で死んでゆくけど 一人で生きてゆけない」 この美しいメロディの中で、彼女の発する「死ぬ」って言葉が、強烈だった。 |
#10 孤独 |
それは負けではないのに、負けてしまう悲しみでもある。 「人はどうして愛したら愛されることでしか 幸せになれないんだろう」 それは結局、人が孤独だからでしかない。 「自分の心が放つあなたへの思いだけで 喜びを感じたいよ」 でもそれが出来ないのが、生きる本当の悲しみなのかもしれない。 |
この文章に対するあなたのメッセージをお待ちしています。こちらよりご記入頂ければ幸いです。 |