2000年 9月 |
夏休みが終わる。学生時代、聴き続けたラジオ番組が終わる。
短かった大学生活が終わる、つまり学生生活が終わる。そして、20世紀が終わる。
夏の余韻は儚く、苦しさはきっとすぐにでも忘れてしまうだろう。
見えない夢に、いつも一人怯えていただけなのかもしれない。
でもそれは、当たり前の道程でもあった。
生と死は等価値ではなく、二つで一つのものである。
そのことを学ばなければならない、忘れてはならない。
普段考えていることが、同じわけがない。そのことを噛み締めて、泣けばよい。
押し寄せる波が、夜長に響く虫の音とともにこの空気を満たして。
その時の情に、私は静かにひたってもよいだろう。
みのりの秋はやってくる。それまで私は、準備する。
2000.9.25.
昨晩見たドラマのせいだろうか、忘れようとしていた過去がまた、夢に出てきた。
いつもは最後まで見られることはないのに、何故か、夢は楽しく終わった。
夢に出てきたあのひとは、とても明るい顔をしていた。
何も出来ない現実の自分が、きっと認めたくもないくらいの現実を、忘れるために逃げるために努力しているのに、その夢は、何故か楽しく終わった。
舞い戻ってしまえば、結局笑い者にしかならないことくらい、分かっているのに。
面白いことに、日本語でも英語でも、「夢」って、寝ている間にみるものも、心に強く想い描くものも、指していて。
二つは同じものなのだろうか。分からないけど、そのはかなさは、同じような気がする。
…気付けば一つの音楽が、またリフレインしている。
時空を越える、旋律という魔力を持って、また。
2000.9.12.
急に肌寒くなった。
39度の灼熱が、2日前の幻となる。
いろいろなことが在り過ぎて、傍を流れ去り行く風に、身を引き締める。
答えは出すしかない。夢は自らで語るしかない。
繁忙に身体を預け、それでもふと吹き当たるこの風は、あの時と少しも変わらなかった。
いつもより少し遅い夜道、乾いた空気のにおいと、耳に流れる今年の新曲と、あの曲がまた。
2000.9.4.
Copyright 1998-2000
Yuichiro Yoshioka/Project EVE
Produced
by Y.Yoshioka