2000年 10月 |
久々に会う友の顔は、みんな変わっていなかった。
でもそこには、介護士がいて、保母がいて、職人がいて、ミュージシャンの卵がいて、看護婦がいて、一児の父がいて。
そして勝組のようで明らかに負組な、自分がいた。
みんなそれぞれが、まだまだワカゾーなれど輝きながら生きている。
みんなそれぞれが、悩みながらの選択で、全部を肯定できるわけじゃなくても、良い人生を歩んでいるように見えた。
と同時に。自分があの時に置き忘れた大事なかけらを鏡のように見せてくれた。
あの時には、戻れない。戻れたとしても、戻るべきじゃない。
振り返る過去が、私には多すぎて、だったらいっそのこと消えてしまえばいいのにと思っても、消すわけにはいかない。
戻らない過去の目の前で、笑って涙するしか、ひとは明日へ踏み込めないのだから。
前を向く為の過去の中で、私はもう、かけらを手にするわけにはいかないのだから。
…目の前は明日。
気付いたら私は、それとなくみんなから小さな勇気をもらっていた。
2000.10.22.
どうにも自分では勇気のある行動だと思いきや、現実とは決して上手く行かないものなり。
恥さらしはともかく、何故上手く行かないのかと自分で問うてみても、それはとどのつまり自らの若さであって酒のせいでも無くしどろもどろ。
ただ、成長の過程において人よりさして進んではいない己の程度からすれば、これは致し方ないことであって避けて通ったらもうどうにもならない事態であることは明白。
故にこれはきっと成功への鍵であって、後悔するどころか恥じることなかれと思うべき一端にてきっと遠い将来からすれば苦笑う瞬間なり。
どう考えてもまだ22のワカゾーなれど、今ここに恥を公開すれど今の私は私で正直前に進むしか道はないのだから。
2000.10.14.
もしかしたら初めての体験かもしれない。
ここまで、自らの本能で生きられるのも。
これも、いつもは傍にいない、友のおかげ。
支えようと思って、実は、精神的に支えられて、付き合ってくれて。
そんな気持ちはなかろうとも、私はそれで嬉しい。
動かない体と計算尽くめの頭に、今夜の道を歩く、人は決して一人じゃ生きられないと。
誰よりも弱い自分に、心底酔って。
2000.10.10.
程度は問わない。日々、前進に全霊を注げたらこれほど、嬉しいことはない。
ある時、人間は底知れない程に、悩んで苦悶して壁に、ぶちあたる。
自分の過ちを、知っていてだからそれに対抗しようとして、また新しい壁に。
己に無いものを、きっとそれとなく欲望して、己を正反対に位置付けてまた、新しい壁に。
浮かび出るアイデア、それに充足して、悩んで、充足して、壊して、悩んで充足。
決まりきったレールを、命というレールを踏み外さんと急いでは緩め、自らのレールの先を少しずつ照らす。
2000.10.4.
Copyright 1998-2000
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by Y.Yoshioka