2000年 8月 |
一年振りの音色に、全身で酔いしれる。
瞬間に凝縮された過去を、もう一度取り戻す作業。
音色はその手がかりとなる。
今までのがむしゃらを、ここに感じ取る。
そして所詮強がりだったことを素直に受け止める。
そのとき、それとなく、「愛他の心だ」と、人生の先輩が言った。
それまで馬鹿にしていたもの、見失っていたもの。
焦りの中で、無理もない、それはいくら探しても、自分の中には無かったのだから。
2000.8.23.
深夜、無気味な音に叩き起こされる。
どんなに文明が発達しようとも、避けては通れない闘い。
弱肉強食という、大自然の宿命に打ちひしがれる。
真夜中に、闘志を剥き出しにして生と死の、闘い。
一瞬見た奴の姿に、振りかざしたこの拳が、宙を舞う。
瞳を憎しみにギラギラとさせながら、負傷した右足が思い切り痒い。
2000.8.9.
モノローグの哀しさより希薄さに、吸い込まれ、さまよい人は死す。
ならばダイアローグの楽しさより辛さに、立ち向かい、夏の詩人は笑い泣く。
2000.8.4.
Copyright 1998-2000
Yuichiro Yoshioka/Project EVE
Produced
by Y.Yoshioka