1999年 1月

 成るということ

 ひどい風邪をひきながら、成人式も終えた。
 年が明けて、いろいろな変化が確実に起きている。
 20という区切りも付けた。
 今という重みが、過去を振り返ることで感じられるようになった。
 過去のしがらみを忘れる勇気もついたと思う。
 今まで作ったものに縛られるために生きているわけではない。
 むしろこれからが必要なわけで。
 こんなことに分かっていながら分かっていなかった。
 まず何よりも、自分を磨かなければならない。
 輝くためには。
 そして新たな道を歩むためには。

 1999.1.19.

 序曲

 またも、毒による事件。
 しかも、殺人に発展する。
 裏には携帯電話、インターネット。
 急激に溢れかえる技術。
 より人を身近にするツールが。
 しかし、本当は限りなく遠くにある人とのコミュニケーション。
 心を通わす前に、土足で入りこめる免罪符。
 昨年のキーワードたる、毒、も。
 手で首を絞めない、頭を殴らない、うめき声も聞かない。
 非接触の殺人で、満足できないで、また殺す、安易に。
 怖いけど、もう一度、立ち返る必要がある。
 他人とは何か。
 自分とは何か。
 手を、出して。
 苦しいけど、99年は振り返る年だ。
 来たる時代のために。

 1999.1.7.

 誰も見ぬ月

 嬉しい日のはずなのに辛い日。
 現実を見た日。
 天国のような過去を見た日。

 歌は伝えられない気持ちを代わりに伝えてくれるもの。
 それを見つけられない今日はますます辛い日。

 守るべき人が、中途半端に守ってくれるから、どうしたらいいのだろう。
 弱音を吐くべきか、ざるべきか。

 涙さえ出ない。
 だから、辛い日。

 月がまんまる出ている。
 昨日生まれて初めて「うさぎ」を見つけた。
 今日もそいつはいた。

 日が変わって。

 励まされる声は若い。
 負けられない気持ち。

 語りあう兄弟。
 正反対でも、代え難い「絆」。

 死と生と、強い力が交錯し、分からない。

 焦り、涙が、出ない。

 1999.1.3.

 99年の計

 崩壊と創造の狭間で、気を改める日が来る。
 21回目にして。
 いつもとは違う感触。

 大師で。
 祈ったのではない。
 誓った。

 今までを。
 引きずるのではない。
 葬り去るのではない。
 取って置くのではない。
 必要ならば戻ればいい。自らで。

 無常という名の哀しみ、あっていい。
 無常という名の喜び、も、あっていい。

 笑えばそこに笑いが、ある。

 …見えたっ!

 1999.1.1.

 

 

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