SSS-004 "Bye Bye My Love (U are the one)"

「遥か遠くに女晴れ いいもんだよ To me」

2000/12/08 @545(21:04)

 

<Song Data>

1985/05/29 on Sale
CDS(オリジナルはEP)
c/w Dear John (Live at BUDOKAN)

<Reviews>

私は幼すぎたためリアルタイムで知るはずもないが、後にこの歌がSASの人気を不動にしたと言われ、30歳代の人ならば心にそっとしまってある自分だけの青春時代に懐かしく響くであろう名曲中の名曲、それがSASオリジナルシングル22枚目の今作『Bye Bye My Love (U are the one)』である。

この歌を前に、私のこれから少しばかり続けるチープな解説は全く必要ない。とにかく聴いてもらいたい。

「Oh, Oh, いいことだよね You are the one You are the love You are the world 遥か遠くに女晴れ いいもんだよ To me」

この「遥か遠くに女晴れ」というフレーズは、桑田佳祐以外には考えられないと思う。それくらい、魅力的だ。

ともすると切なすぎるこの失恋の歌詞に、哀しげな疾走感さえ漂うこのメロディに、しかし私はあの時どれだけ救われ、またあの時どれだけ勇気づけられたことだろうか。

一つの歌が、これほどまでに「ひと」を支えられるという真実。そのことだけが、この歌に出会えた意味のすべてのような気がしてならない。

理屈で言えば、どうしようもない哀しさを歌に昇華させ、キレのあるパーカス、情熱的なギターと華麗なドラムスで、4分後のエンディングへ向かって駆け上がっていく、その過程がこの歌だと思うけれど、この際そんなことはどうでもいい。

とてつもなく純粋な心の弱さととてつもなく強い想い、徐々に高ぶる魂の叫びがついに「Bye Bye My Love」と叫んだ時に、ひとには一つのカタルシスが訪れ、しかしそれは同時に、言葉にするには残酷すぎるこの「手にとって分かるような」気持ちを、己の心に深く刻み込む作業でしかないことに気付く、その熱すぎるほど情熱的な、哀しさ。とどのつまり、それだけだ。

歌詞と同時に凄いのが、メロディライン。特に間奏部分で使われるC→D→B7→Em→C→D→G(オリジナルは2音上)、このメロディ進行が理屈抜きに、私の魂をたまらなくさせる。

ふっと出てくる「はっと見りゃ湘南御母堂」のフレーズ。そこにあるのはやはり「鎌倉」の血。ひとの血液の熱い鼓動が、この歌の源であるのは間違いない。

<終わり(敬称略)>

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